台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第二十三夜

気付けば毎朝、食パンばっかり食べている。 怪しげなマーガリンをたっぷり塗って。 手軽な文化にどっぷり浸っている有り様。 体の事が少し心配になってくる。 だったらコメを食えばいいのに。 余計なものなど入っていないし。 「朝食う白メシに勝るものなし…

第二十二夜

かっぱえびせんの塩気に惹かれる。 日曜日の午前。 競馬には手を出さない。 痛い目には遭わない。 朝からかっぱえびせんを、一袋空ける。 すがすがしい気分になれない。 少し、心が痛い。 せめて半分にしとけば良かった。 残りを午後に回せば良かった。 富の…

第二十一夜

口さみしいのに、歌う歌がありません。 ひと晩じゅう、安いホルモンをひたすら噛んで過ごしています。 十年前に開けてひと口飲んだだけ。 今更ながらその酒を、奈落の底まで探しに行こうか。 ふとストーブの火が消える音。 「灯油はあるか」 具のないおでん…