台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

2018-01-01から1年間の記事一覧

第四夜

夕日が射す公園。誰もいない。 今週の競馬も終わった。 やれやれ。どうにもこうにも、話にならない。 私の頭は早々に力が尽きて、見せ場なく、後ろのほうの馬群に沈んだ。 隣に猫が座っていた。 「アジのたたきでも食うか」 そのどら猫は、憎たらしい顔をし…

第三夜

真っ赤な初代ロードスターが、交差点で停車しました。 屋根は全開。 青い空の高みには、トンビが一羽、翼を広げて悠々と旋回している姿が見えます。 ロードスターのドライバーは、岡本太郎にそっくりな御仁。 太郎はさっそく、サンドイッチを取り出して、停…

第二夜

こんばんは。 熱燗で一杯、やってます。 夜も更けて、何やら風が凄まじいですね。 道行く人は、横なぐりのクラゲに注意してください。 新聞受けにヤリイカが一本、飛び込んできました。 「こいつを炙って、酒の肴にするがよい」 勝手に家に上がり込んでいた…

第一夜

乱切りしている。食パンを2枚。 しかも、中華包丁で。 そのうえ川の中州である。中華の達人が、そこで腕をふるっている。 今度はハムの塊を、中華包丁で削いでいる。 空は一面霞んでいる。 下流から、光化学スモッグが、じわりじわりと押し寄せてくる。 真っ…