雨が降っている。夜も近い刻限。 あばら家の軒先で、傘も持たずにバナナをかじる迷子がひとり。 途切れ途切れに異国の歌を雨音に乗せて歌っている。 道行く人など、どこにもいない。猫も蛙も出てこない。 街灯ひとつない裏通りが雨に黒々と染まっている。 バ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。