台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

第三十八夜 聖徳太子

聖徳太子は髪の毛を染めて、柿を食った。

富有柿をアテに、良く酒を飲んで、潰れた。

憲法は十七条で止まったが、本当はもっと書きたかった。

シラフの時間が、短かすぎて叶わなかった。

 

気が付くと、法隆寺が建っていた。

泥酔してるまに、建てられていた。

そんなもんだと、聖徳太子は気にも留めない。

中身をくり抜いた柿の器に何を盛るか。

金堂に寝そべり、ラッキーストライクを吸いながら、聖徳太子は考えている。