台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

第三十六夜

食材が無いので、自生している山菜を採りに、山へ入った。

といっても季節柄、ワラビもゼンマイも生えてはいない。

怪しい色彩のキノコが群生しているが、こいつは危険だ。

コカの葉を摘んで天ぷらにするのも、止した方がいいだろう。

 

いつしか小さな池に出ていた。

そこで仙人が、静かに釣り糸を垂らしている。

龍を狙って百年が過ぎたというが、「あっという間だ」

土産にマジックマッシュルームの西京漬けを持たせてくれた。