2020-05-27 第三十五夜 蓬莱 黄昏時に洗濯物を取り入れる。 ベランダから飛び去ったのは、極楽鳥の雄かも知れない。 ガレージの脇で、翁と媼が並んで爪を切っている。 いつも決まってこの時間になると、そこに出現する二人。 爪を切りつつ二人して、夕日に染まった海を見ている。 そこにたまたま富山の薬売りが、蓬莱の豚まんを運んできた。 潮が引いた砂浜に出てアサリを掘り出し、ボンゴレビアンコを作るプランは無しだ。 かといって豚まんだけで、晩御飯になりうるか、悩む二人。