2020-04-20 第三十夜 ザラメ 金魚が横目で時計を見ている。 思えば今日も、それほど悪くない一日であった。 褒美に福砂屋のカステラと、福岡八女の玉露をいただく。 赤い月がのぼれば時に、誰も知らない海路がひらく。 カステラがこの国に伝来したのは幸運であった。 おかげで今宵も、絶妙なザラメのアクセントを味わえる。