台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

第十九夜

長い夏になりました。

ようやく秋かと思ったら、細いサンマが回って来ました。

 

今年はどこからも、巨峰が届かずに秋。

「カツオはいつ戻ってきたのか」

それにはきっと、長い言い訳が必要だ。

 

栗の爆弾を踏んで、タイヤを一本パンクさせた秋。

鉛筆の様なサンマが二本、皿の上に転がっている。