台所夜話

食べ物にまつわる夢の話

第十八夜

今の曲、ベートーベンの「月光」でした。

すすんで十五夜に聴く事はないね。

まだまだ宵の口。誰も寝てはならぬぞ。

 

今宵、有次の包丁が、月の光に照らし出されているうちは、寝てはならぬと錦の料理人は言う。

 

月見団子がないから代わりに、玉ねぎさん太郎を供えよ。

きゃべつ太郎では丸みが少し足りないからね。

さらには、もろこし輪太郎に紐を通して首飾りにした思い出が、この十五夜の月によみがえります。