2021-06-04 第四十四夜 山椒 スーパームーンに皆既月食が重なって、あたりはいくぶん、暗くはなったが。 この夜にまさか、釜など抜かれはしないだろうね。 闇に紛れて糠床に、山椒の実をパラパラと。 呪文を唱えつつ妻が、新たに糠に混ぜ込むモノとは。 その山椒の実以外、この位置からはよくわからんな。 何せ皆既月食の真っ只中でもあるわけで。 ときじくのかくのこのみを入れたってことは無いかね。 一か八かって感じでさ。 何せ皆既月食なもんで、そんな伝説の実がひとつ、たまたま台所に転がっていても不思議じゃないって。